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「KINGDOM HEARTS II」は
シリーズにおける1つの完成型

「KINGDOM HEARTS -HD 1.5 ReMIX-」に収録されていた3作品「KINGDOM HEARTS」「KINGDOM HEARTS 358/2 Days」「KINGDOM HEARTS Chain of Memories」に続く物語が描かれる「KINGDOM HEARTS II」。

発売からすでに9年が経過しているが、「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX」ではグラフィックスがHD化されていることもあって、見た目の古くささは感じない。ゲームシステムは、ひと言で表現するなら、かなりアクションゲーム寄りのアクションRPG、といったところだろうか。フィールドからシームレスに移行するバトルでは、方向キーで使える各種コマンドや、[△]ボタンで繰り出すリアクションコマンド、そしてソラが一定時間フォームチェンジしてパワーアップする「ドライヴ」など、操作は比較的簡単ながら、なかなか奥深い戦いが楽しめ、バトルの基本的な形はすでに完成しているといった印象だ。

グラフィックスの
大幅な進化が見どころの
「Birth by Sleep」

ゲーム世界での時間軸では一番最初に位置する「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep」は、予備知識なしでもゲームに入り込みやすい作品。もとが携帯ゲーム機のタイトルということもあってか、テンポよく進めていけるのも嬉しいポイントだ。

携帯ゲーム機からの移植という点では、HD化によるグラフィックスの進化も見どころとなっている。モデリングやテクスチャには大幅に手が入れられており、実際見栄えはかなりいい。このグラフィックスを大画面で楽しめるというのは、PSP版をプレイした人にとっても魅力だろう。

バトルではKH IIのように仲間とパーティを組んでプレイするシーンが少なく、ほとんど自分の腕だけで進んでいかなければならない。もちろんゲームバランスは本作独自のものに調整されているが、敵に囲まれるようなことがないよう、一層周囲に気を配る必要が出てくるだろう。

じっくりと見て楽しむ
「Re:coded」

ゲームではなく、HD映像作品として収録されている「KINGDOM HEARTS Re:coded」は、「KINGDOM HEARTS II」直後の物語を描いている。できれば先にIIをプレイしてから楽しむのがいいだろう。

こちらも「Birth by Sleep」と同様に、携帯ゲーム機向けのグラフィックスから大幅に進化した美しい映像が見どころ。ただ、ゲーマーである筆者は、鑑賞後にやはりゲームとしてプレイしたくなってしまった。同様の感想を覚えた人は、ニンテンドーDS版をプレイするのもいいだろう。

ディズニーの世界との見事な融合を再確認。
「KH III」の“前夜祭”として楽しんでほしい

「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」をプレイして最も心に残ったのは、小さな頃から慣れ親しんだディズニーのキャラクターが、ソラ達やファイナルファンタジーシリーズのキャラクターを自然に迎え入れているところだった。ディズニーの親しみのある世界に、新たな世界をうまく融合させたシリーズだと重々分かっているつもりだったが、実際にプレイして彼らの姿を追っていると、何とも言えない感動が湧き上がってくるのだ。

KINGDOM HEARTSシリーズの物語は各タイトルのエピソードが密接に絡み合って構成されているのだが、ボリュームの大きさやプラットフォームの制約などで、すべての作品をプレイしたという人はそれほど多くないはず。その意味で本作が資料的な価値の高いタイトルであるのは間違いないのだが、それ以上に、12年という長い時間をディズニーとともに歩んできたシリーズの歴史を称えながら、「今度はいったいどんな世界が待っているのだろう」と、来たるべき最新作である「KINGDOM HEARTS III」への期待を高めるという、“前夜祭”のノリで楽しんでほしいタイトルだ。

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