023 オモイデノキザイ 1
山崎良プロフィール

 「私のおもひ出の機材」と称して突撃インタビューを敢行してみました。ゲストは浜渦正志さんです。浜渦さんの使い込んだ思い入れの深いシンセを通じて、作曲に目覚めたきっかけや当時の熱い思い出を語っていただきましょう!

山「そういえば我々も随分長い間、一緒に仕事してきましたが浜渦さんが昔使ってたシンセの実物を見るのは初めてっすね。まずメインキーボードがαJUNO2、音源モジュールにMKS-7、シーケンサーにMC-500、懐かしいなぁ〜。全てローランド製ですがこの辺は何かこだわりがあったんですか?」

浜「いや、全然…。当時から機材には疎かったからね。父親の知り合いの楽器店に相談して決めたんだけど、ほとんどお任せだった。」

山「確かに作曲するには最低限必要なシステムですね。」

浜「DX-7を持っている人間が多くてそれが最高峰なんだろうとは思ってたんだけど、さすがに高価でねぇ。」

山「でもこの三つ分の値段でDX-7一台は余裕で買えますよね?」

浜「サウンドではなくあくまで曲作りをしたかったから、やはりシーケンサー中心のセットになるよね。これでDXも入ってたらと思ってたんやけど(笑)。」

山「あー、僕もDX-7に手が届かなくて、FM音源は欲しくてTX81Zとかでチマチマやってた口なんですが、やはりヤマハブランドへの憧れみたいなものは多少あったかもしれないですね。シーケンサーはQX5FD使ってましたし音源はRX-7とかも使ってました。MTRもヤマハだった気が。」

●α-JUNO2

山「気に入ってよく使っていたプリセットとかありますか?」
浜「最終的にはストリングスばかり使ってたね。パラメータのいじり方はついにマスターできなかった。」

山「α-JUNOといえばこのクルクルダイヤルが特徴的ですが、これ割とイイ感じですよね。」

浜「頼りないくらいにスルスル回るよね。MC500のも同じ感じ。」

山「僕の場合ローランド製品を主に使い始めたのは90年代入ってからだったかなー。この頃の機材ってつまみ無いですよね。兄貴分のJUNO106とか JUPITER-8にはスライダーがいっぱいついてたのに。ボタンをペチペチ押して音色番号やパラメーターを切り替えるタイプが主流でしたね。」
山「なんかスクリーンのとこのパネルがバキッと逝っちゃってるんですが...。」

浜「割と近年だと思うけど…いつだったかな。引越屋にやられたかもしれない。」



●MKS-7 SuperQuartet

山「MKSは70とか80とか他にもシリーズ出てましたが、MKS-7はカルテットという名の通りメロディ、コード、ベース、リズムの4パートのみとい うマルチ音源というところが潔いですね。JUNO106とTR-707を足したようなお得感もあって。」

浜「そんなシリーズ知らんと使ってた。ホントにマルチ音源でよかったんだなあ。」

山「このエアコンの温度調整つまみみたいなスライダーがいい味出してるなー。」

浜「MKSのツマミはチューニングとボリュームだけなので使い倒した気分になってたね。チューニングを少し動かしてJUNOとユニゾンで鳴らすと柔らかくて分厚い音になるので好きだったなあ。そしてこのランプの灯り具合がなんとも。また筐体が2Uながら後ろに長い。この大きさはその上にMC-500を載せるのに丁度良かった。」
山「そういや昔こいつに手をぶつけて怪我したとか言ってましたね?」

浜「そう、ここの親指の付け根の1.5センチほどの傷ね。高校の頃、部屋で何故かシャドーピッチングしていてラックマウント部分の角でぶつけた。かなり深くえぐれたのか、下地というか白いのが見えて気分が悪くなってね。で、血がボタボタ出てきたので洗面台まで行ってグッタリしてたら、それを弟が見て『あー、ついに手首切りよったか』と(笑)。」

山「うわ...。エグイなぁ。聞かなきゃ良かった...(汗)。」


●MC-500

山「巨大な電卓みたいなルックスは今見てもしぶい。なんか昔あったシャープの一体型パソコンMZシリーズを彷彿させるんですよ。こういうゴツイ機材ってかっこいいですよね。」

浜「シーケンス専用機としての面構えが最高やね。ボタン類はあまり使いこなせなかったけど(笑)。」

山「5トラックのシーケンサーだと今では物足りなく感じるでしょうけど、作曲するには十分だったんでしょうね。」

浜「4トラック+リズムトラックなので、JUNOで1トラック、MKSで3トラック+リズムで丁度ピッタリだった。YMOの譜面を打ち込んだり、細野晴臣の曲を耳コピしたり、ヤマトの音楽集作ったり。ドラクエの譜面なんかも打ち込んだり色々やったね。某社のゲーム音楽コンテストみたいのに応募したときもこいつを使った。

山「これまだ現役で動くんですか?」

浜「電源は入るんだけど、どこかからか起動ディスクを借りてこないとシステムが起動しないんよ。起動ディスクは複製できるんだけど、複製元になるディスクがないとダメで、当時たくさん作っていたはずのそれらの磁気が全部飛んでるんで...。」

山「だぁーっ。残念...。」


山「ところでこのシステムだとJUNOとMKSの音をまとめて聞くのにオーディオミキサーが必要だったと思うんですが、それはどうやって?」
浜「それがよく覚えてない。JUNOかをイヤホン、MKSをヘッドホンと、耳に重ねてたような気もする…。」

山「えっ?じゃあカセットとかに録音するときはどうやって?」
浜「録音したのはMT32を借りてきた時だけだった。ヘッドホンの片方のアウトをカセットレコーダーのマイクの穴に当ててね。だから片チャンネルだけ(笑)。」

山「ある意味かなりアナログですね w なんとか工夫してるところが涙ぐましい。」

浜「ミキシングといい、レコーディングといい、アナログどうこう以前の問題だった訳ですな。」

つづく
GO!
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